2012年01月02日
新年のご挨拶
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年中は弊社をお引き立て頂き、まことにありがとうございました。
お陰さまで、東日本大震災や原発事故の影響にもかかわらず、ロシア版ホームズ連作DVDは弊社の商品ラインナップの中心的な位置を維持することができました。
連作中で最大の大作である『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』初回限定版、在庫100枚台となりました。発売開始後1年が過ぎましたので既に旧作で売れ行きもそこそこなのですが、あと3~4ヵ月程度で完売の見込みです。
景気低迷のため、廉価版制作の見込みはありませんので、ご購入を検討されている方はお早目に弊社直販店からご注文ください。会員になられますと割引特典、ポイント加算がございます(バーゲンセールには適用されない場合があります)。
それでは今年も宜しくお願いいたします。
合同会社アルトアーツ カスタマーサービス
昨年中は弊社をお引き立て頂き、まことにありがとうございました。
お陰さまで、東日本大震災や原発事故の影響にもかかわらず、ロシア版ホームズ連作DVDは弊社の商品ラインナップの中心的な位置を維持することができました。
連作中で最大の大作である『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』初回限定版、在庫100枚台となりました。発売開始後1年が過ぎましたので既に旧作で売れ行きもそこそこなのですが、あと3~4ヵ月程度で完売の見込みです。
景気低迷のため、廉価版制作の見込みはありませんので、ご購入を検討されている方はお早目に弊社直販店からご注文ください。会員になられますと割引特典、ポイント加算がございます(バーゲンセールには適用されない場合があります)。
それでは今年も宜しくお願いいたします。
合同会社アルトアーツ カスタマーサービス
2011年12月11日
恒例の歳末バーゲンセール情報
昨夜は皆既月食でした。
冷え込みの厳しい中、天頂に輝く月が次闇に沈み、再び白い輝きを取り戻していく様子は、何ともミステリアスでした。
さて、弊社直営のネットショップ、Alt-arts Shop(本店)では、本日より25日まで、ロシア版ホームズ連作DVDのバーゲンセールを行います。2割から3割引き、全国送料無料。
その他の商品も一部値下げしております。今年最後のチャンスです。お見逃しなく。
冷え込みの厳しい中、天頂に輝く月が次闇に沈み、再び白い輝きを取り戻していく様子は、何ともミステリアスでした。
さて、弊社直営のネットショップ、Alt-arts Shop(本店)では、本日より25日まで、ロシア版ホームズ連作DVDのバーゲンセールを行います。2割から3割引き、全国送料無料。
その他の商品も一部値下げしております。今年最後のチャンスです。お見逃しなく。
2011年10月04日
2011年09月23日
2011年08月29日
書評:『ホームズおもしろ事典』(平賀三郎編著、青弓社)
ホームズ・ファンの方は既にご存知かと思いますが、8月20日になかなか興味深いホームズ本が発売されました。日本シャーロック・ホームズ・クラブ会員を中心とする「シャーロキアン」達による、本格的かつ雑学的な逸脱もふんだんに含む、事典スタイルの研究本です。
「聖典」の様々な設定に関する歴史的・実証的考察(「バスカヴィル家と錫の歴史」)があるかと思えば、「養蜂家ホームズ」の項目では、養蜂に関する西欧の「知の相関図」を、アリストテレスとプリニウスによる自然誌から「蜂につかれた」作家トルストイに至るまで概説したりと、意外な観点から切り込んだ記事が多く、飽きさせません。ジェイン・オースティン家につたわる「カレー料理」のレシピ等、少し軽めの記事も(ある意味実用的で)ためになります。
弊社が配給しているロシア版ホームズ連作は、「旧ソヴィエト連邦のホームズ」の項目でしっかりと言及されています。原作への忠実さが評価されている点が、うれしい限りです。モスクワのイギリス大使館脇のホームズ&ワトソン像も写真つきで紹介されています。
バジル・ラズボーンのホームズ物映画には時代考証の忠実な20世紀フォックス制作の2本と、その後で第二次大戦当時に時代設定されたユニヴァーサル版があり、日本では後者しか紹介されていないなど、さすがにシャーロキアン達のチェックは厳しい、と唸らされる事実の指摘もあります。当然、先ごろNHKでも放映されたBBCの「Sherlock」にも言及があります。
青弓社から既に同様の「事典」シリーズが2冊出ているようです(「ホームズなんでも事典」、「ホームズまるわかり事典」)。シャーロキアン達の愛情と飽くなき研究意欲には、脱帽の思いです。
定価は2000円+税。
「聖典」の様々な設定に関する歴史的・実証的考察(「バスカヴィル家と錫の歴史」)があるかと思えば、「養蜂家ホームズ」の項目では、養蜂に関する西欧の「知の相関図」を、アリストテレスとプリニウスによる自然誌から「蜂につかれた」作家トルストイに至るまで概説したりと、意外な観点から切り込んだ記事が多く、飽きさせません。ジェイン・オースティン家につたわる「カレー料理」のレシピ等、少し軽めの記事も(ある意味実用的で)ためになります。
弊社が配給しているロシア版ホームズ連作は、「旧ソヴィエト連邦のホームズ」の項目でしっかりと言及されています。原作への忠実さが評価されている点が、うれしい限りです。モスクワのイギリス大使館脇のホームズ&ワトソン像も写真つきで紹介されています。
バジル・ラズボーンのホームズ物映画には時代考証の忠実な20世紀フォックス制作の2本と、その後で第二次大戦当時に時代設定されたユニヴァーサル版があり、日本では後者しか紹介されていないなど、さすがにシャーロキアン達のチェックは厳しい、と唸らされる事実の指摘もあります。当然、先ごろNHKでも放映されたBBCの「Sherlock」にも言及があります。
青弓社から既に同様の「事典」シリーズが2冊出ているようです(「ホームズなんでも事典」、「ホームズまるわかり事典」)。シャーロキアン達の愛情と飽くなき研究意欲には、脱帽の思いです。
定価は2000円+税。
2011年08月16日
「レンフィルム」身売りの危機に関連しまして
ロシア版ホームズ連作を製作したペテルブルグのスタジオ、「レンフィルム」が、民間会社「マスメディア・システム」に買い叩かれようとしています。これが現実のものになると、ソ連時代に製作された同スタジオの全ての映画作品が、これまで映画製作や配給の経験がほとんどない一民間企業の財産となってしまいます。
同スタジオを代表する世界的監督2人、アレクサンドル・ソクーロフとアレクセイ・ゲルマンは、プーチン首相に向けて嘆願書を公表し、ユニークな実績をもつ伝統ある「レンフィルム」が完全に商業主義に押しつぶされないよう、支援を求めています。
一方、「レンフィルム」と違って株式会社化せずに「コンツェルン」として存続してきたロシア最大のスタジオ、モスフィルムのカレン・シャフナザーロフはこれを肯定的に捉えています。設備の近代化が進み、競争力がつくというのです。
弊社はロシア版ホームズの連作中、3作品の日本国内独占ソフト化権を「レンフィルム」スタジオから得ています。この契約はスタジオの「身売り」が現実のものとなっても有効ですが、契約の延長その他に関しては未知数です。
最初にリリースいたしました第一作は、あと3年は弊社との契約が有効です。いずれの作品も、今後ブルーレイ化の予定は全くございません。日本でのブルーレイ製造にはDVD製造の数倍の初期投資が必要で、よほどのヒット作や大作以外は、製造リスクが大きすぎるからです。
スタジオの「身売り」の結果、残り2作品の権利が全て民間企業に移譲され、ソフト化のライセンス料がつり上げられる可能性も否定できません。いずれにせよ、ロシア企業との交渉経験が少ない会社では手が出せないと思われます。
ロシア版ホームズ連作ソフトのご購入を検討されている方々には、取り急ぎ、以上の状況をお知らせいたします。リリース済み作品のDVD在庫はまだございますので、ご購入は弊社直販ネットショップをご利用ください。
合同会社アルトアーツ代表
西 周成
同スタジオを代表する世界的監督2人、アレクサンドル・ソクーロフとアレクセイ・ゲルマンは、プーチン首相に向けて嘆願書を公表し、ユニークな実績をもつ伝統ある「レンフィルム」が完全に商業主義に押しつぶされないよう、支援を求めています。
一方、「レンフィルム」と違って株式会社化せずに「コンツェルン」として存続してきたロシア最大のスタジオ、モスフィルムのカレン・シャフナザーロフはこれを肯定的に捉えています。設備の近代化が進み、競争力がつくというのです。
弊社はロシア版ホームズの連作中、3作品の日本国内独占ソフト化権を「レンフィルム」スタジオから得ています。この契約はスタジオの「身売り」が現実のものとなっても有効ですが、契約の延長その他に関しては未知数です。
最初にリリースいたしました第一作は、あと3年は弊社との契約が有効です。いずれの作品も、今後ブルーレイ化の予定は全くございません。日本でのブルーレイ製造にはDVD製造の数倍の初期投資が必要で、よほどのヒット作や大作以外は、製造リスクが大きすぎるからです。
スタジオの「身売り」の結果、残り2作品の権利が全て民間企業に移譲され、ソフト化のライセンス料がつり上げられる可能性も否定できません。いずれにせよ、ロシア企業との交渉経験が少ない会社では手が出せないと思われます。
ロシア版ホームズ連作ソフトのご購入を検討されている方々には、取り急ぎ、以上の状況をお知らせいたします。リリース済み作品のDVD在庫はまだございますので、ご購入は弊社直販ネットショップをご利用ください。
合同会社アルトアーツ代表
西 周成
2011年05月17日
商品価格改定のお知らせ
ロシア版ホームズ連作DVDの価格を一部改定いたしました。
対象商品と改定後の価格は以下の通りです。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士』(初回限定版)
2150円(旧価格2800円)
『シャーロック・ホームズとワトソン博士』(通常版)
1900円(旧価格2400円)
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』(初回限定版 2枚組)
5520円(旧価格6900円)
改定後価格は既に弊社ネットショップ及びアマゾンにも反映されています。
対象商品と改定後の価格は以下の通りです。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士』(初回限定版)
2150円(旧価格2800円)
『シャーロック・ホームズとワトソン博士』(通常版)
1900円(旧価格2400円)
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』(初回限定版 2枚組)
5520円(旧価格6900円)
改定後価格は既に弊社ネットショップ及びアマゾンにも反映されています。
2011年04月09日
弊社HP商品紹介ページから購入可能に(Paypal利用)
弊社HPの商品紹介ページから、ロシア版ホームズDVD連作及び新刊書『タルコフスキーとその時代』のご購入が可能になりました。Paypalの決済システムを利用した注文ボタンをクリックするだけで、クレジットカードで安全なご購入が可能です。既にリリース済みの商品にも一部採用しておりましたが、今後全ての商品に採用する予定です。
これまでネットショップの使い勝手が悪いと感じられたお客様は、こちらでもお試しください。
商品紹介ページの購入ボタンはショップ会員特典割引や会員向け価格設定には対応しておりませんが、本日より開始しました週代わりの特売価格には対応しております。
これまでネットショップの使い勝手が悪いと感じられたお客様は、こちらでもお試しください。
商品紹介ページの購入ボタンはショップ会員特典割引や会員向け価格設定には対応しておりませんが、本日より開始しました週代わりの特売価格には対応しております。
2011年04月07日
アマゾンでの弊社商品購入に関するご注意
大震災の影響で、アマゾンでの弊社商品注文は、3週間近くの間できない状態となっておりました。4月1日より機能が再開されておりますが、倉庫では弊社からの納品確認がいつもより遅れており、「一時的に在庫なし」と表示されることがあります。
お急ぎの場合はAlt-atrts Shopでご注文頂くか、アマゾンの「マーケットプレイス」に弊社から出品されているものをご注文頂くと、スムーズかつ確実に発送できます。
お急ぎの場合はAlt-atrts Shopでご注文頂くか、アマゾンの「マーケットプレイス」に弊社から出品されているものをご注文頂くと、スムーズかつ確実に発送できます。
2011年03月23日
FC2支店でPaypalとJNB-J振での決済が可能に
Alt-arts ShopのFC2支店(http://altarts.cart.fc2.com/ )で手軽なお支払い方法が増えました。
世界中で利用されているPaypalと、ジャパンネット銀行のJBN-J振です。
Paypalの場合は口座をお持ちでなくともクレジットカードでお支払いも可能です。
JNB-J振はジャパンネット銀行で口座をお持ちの方のみ、ご利用できます。
どちらも振込手数料は無料です。
簡単かつ安全なお支払い方法ですので、是非ご利用ください。
世界中で利用されているPaypalと、ジャパンネット銀行のJBN-J振です。
Paypalの場合は口座をお持ちでなくともクレジットカードでお支払いも可能です。
JNB-J振はジャパンネット銀行で口座をお持ちの方のみ、ご利用できます。
どちらも振込手数料は無料です。
簡単かつ安全なお支払い方法ですので、是非ご利用ください。
2011年03月14日
春のバーゲンセール期間を延長いたします
弊社およびネット直販店は今回の地震による被害を受けておりません。
26日までバーゲンセールの期間を延長いたします。
ただし、地域によっては商品発送に遅れが出る可能性がございますので、ご了承ください。
26日までバーゲンセールの期間を延長いたします。
ただし、地域によっては商品発送に遅れが出る可能性がございますので、ご了承ください。
2011年02月24日
春のバーゲンセール予告
ようやく寒さも緩んでまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、弊社直営店Alt-arts Shopでは、一足早く春のバーゲンセールを開催します。
期間は2月28日~3月12日です。
書籍など一部を除き、全商品25%~35%引きとなります。
気になる商品がある方は、この機会をぜひご利用ください。
さて、弊社直営店Alt-arts Shopでは、一足早く春のバーゲンセールを開催します。
期間は2月28日~3月12日です。
書籍など一部を除き、全商品25%~35%引きとなります。
気になる商品がある方は、この機会をぜひご利用ください。
2011年01月20日
若き日のリヴァーノフ氏

『アンドレイ・ルブリョフの謎』という、テレビ・ドキュメンタリーで一瞬紹介されていた写真をスナップしました。ドキュメンタリー自体がWEB上で公開されていました。
このドキュメンタリーでも、タルコフスキー監督の映画『アンドレイ・ルブリョフ』のアイディアがもともと彼のものだったことが語られています。 リヴァーノフ氏は自分が主演する条件で、タルコフスキーとコンチャロフスキーにこの構想を話しましたが、別の映画に出演中、二人が彼抜きで脚本を書き始めてしまったということです。
この頃なら、アンドレイ・ルブリョフも演じられたかな、というくらいハンサムでちょっと精神的なものも感じさせる写真ではあります。
タルコフスキーにとっては結果的に、彼でななく、アナトリー・ソロニーツィンがオーディションで現れてよかったわけです。
リヴァーノフ氏も、『ルブリョフ』で主演したら、ホームズなどは一生演じる機会はなかったでしょう。
運命とは不思議なものです。
2010年12月07日
年末バーゲンセールのお知らせ
昨年も開催しました年末バーゲンセールを今年も11日から行います。
今年はDVD全商品20~30%引きでのご奉仕となります。
(この割引率でのバーゲンセールは今年度最後となります)
新作を予約しそびれた方や、旧作をまだご覧になっていない方は、
ぜひこの機会をお見逃しなく。
また、当ショップの商品をご購入頂いている方も、同じ興味のありそうな
知人・友人にぜひ教えてあげてください。
25日までの開催です。
今年はDVD全商品20~30%引きでのご奉仕となります。
(この割引率でのバーゲンセールは今年度最後となります)
新作を予約しそびれた方や、旧作をまだご覧になっていない方は、
ぜひこの機会をお見逃しなく。
また、当ショップの商品をご購入頂いている方も、同じ興味のありそうな
知人・友人にぜひ教えてあげてください。
25日までの開催です。
2010年11月27日
『冒険』本日リリース
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』(初回限定版)が本日リリースいたしました。
主な販売委託先のアマゾン様では、現時点(10:54)でまだ予約割引価格(5106円)となっていますので、弊社直販ショップでもほぼ同様の販売価格になっております(5100円)。
ただし、この状態は長く続かないと思われます。弊社直販ショップでもアマゾン様の価格表示の変化を参考に希望小売価格での販売に移行します。
ご購入を検討されている方は、お早めに。
(お買い上げ下さった方でアマゾンのアカウントをお持ちの方は、よろしければユーザーレヴューの投稿をお願いいたします。希望小売価格だと少々高めなので・・・)
アルトアーツ
カスタマーサービス
主な販売委託先のアマゾン様では、現時点(10:54)でまだ予約割引価格(5106円)となっていますので、弊社直販ショップでもほぼ同様の販売価格になっております(5100円)。
ただし、この状態は長く続かないと思われます。弊社直販ショップでもアマゾン様の価格表示の変化を参考に希望小売価格での販売に移行します。
ご購入を検討されている方は、お早めに。
(お買い上げ下さった方でアマゾンのアカウントをお持ちの方は、よろしければユーザーレヴューの投稿をお願いいたします。希望小売価格だと少々高めなので・・・)
アルトアーツ
カスタマーサービス
2010年11月13日
『冒険』初回限定版 完成
最近は夜が随分寒くなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
鍋のおいしい季節です。
ロシアでは冬になると“ぺリメニ”という水餃子を二重窓の間に入れて冷凍保存したりもしたようです(今でもやっているかどうか分かりませんが)。
あと温かい料理としてはボルシチですね。大衆居酒屋で出たボルシチが、とても美味でした。
どちらも四季を問わず普通に食べる庶民的な家庭料理です。
考えてみると、ロシア料理は日本料理に比べて、それほど季節感がありません。
パンなどは素朴な味ですが、かなり美味しく感じました。余計な添加物がないからでしょう。
素材の味を活かした食事が美味しいのは、万国共通のようです。
久しぶりのブログで、前置きが長くなってしまいました。
さて、やっと本題です。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』初回限定版が完成致しました。
弊社ネットショップからご予約頂いている方々には、来週中頃までに順次発送させて頂きます。

雑誌『スクリーン』の新作DVD紹介コーナー掲載は20日発売の号になりますが、
お住まいの地域によってはそれより早くお届けできます。
作品のできばえはイギリスのプロの批評家アラン・バーンズも認めたほどのもの。
(彼は5作全体を高く評価していますが)
モリアティーの造形からドイツ表現主義映画を連想しているところなど、さすがはプロの批評家です。
バーンズの“シリーズ中最高水準”という評価には異論もあるかも知れませんが、
脚本に関しては全5作中でも屈指の出来であることは間違いないでしょう。
主演の2人の演技も油が乗り切ってる感じです。
というか、“そのもの”にしか見えません。
全てソ連国内で撮影されたとは思えないほど信憑性のあるロケ撮影の数々。
この完成度、テレビドラマとしては(当時ソ連では“テレビ映画”と呼ばれましたが)
尋常ではありません。
鍋のおいしい季節です。
ロシアでは冬になると“ぺリメニ”という水餃子を二重窓の間に入れて冷凍保存したりもしたようです(今でもやっているかどうか分かりませんが)。
あと温かい料理としてはボルシチですね。大衆居酒屋で出たボルシチが、とても美味でした。
どちらも四季を問わず普通に食べる庶民的な家庭料理です。
考えてみると、ロシア料理は日本料理に比べて、それほど季節感がありません。
パンなどは素朴な味ですが、かなり美味しく感じました。余計な添加物がないからでしょう。
素材の味を活かした食事が美味しいのは、万国共通のようです。
久しぶりのブログで、前置きが長くなってしまいました。
さて、やっと本題です。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』初回限定版が完成致しました。
弊社ネットショップからご予約頂いている方々には、来週中頃までに順次発送させて頂きます。

雑誌『スクリーン』の新作DVD紹介コーナー掲載は20日発売の号になりますが、
お住まいの地域によってはそれより早くお届けできます。
作品のできばえはイギリスのプロの批評家アラン・バーンズも認めたほどのもの。
(彼は5作全体を高く評価していますが)
モリアティーの造形からドイツ表現主義映画を連想しているところなど、さすがはプロの批評家です。
バーンズの“シリーズ中最高水準”という評価には異論もあるかも知れませんが、
脚本に関しては全5作中でも屈指の出来であることは間違いないでしょう。
主演の2人の演技も油が乗り切ってる感じです。
というか、“そのもの”にしか見えません。
全てソ連国内で撮影されたとは思えないほど信憑性のあるロケ撮影の数々。
この完成度、テレビドラマとしては(当時ソ連では“テレビ映画”と呼ばれましたが)
尋常ではありません。
2010年10月13日
『冒険』オーサリング作業が完了
ファンの皆様へ
先月から半ばからブログの更新が途絶えてしまい、申し訳ありません。
実は、DVD制作で最も重要な工程と言ってもいいオーサリングのチェックにかかりきりでした。
今回はその報告を書かせていただきます。
ロシアから送られてきたデジタルベータカムテープそのままの色あい、明暗、解像度を全てDVDで再現することは、DVDというフォーマットの限界から不可能なのですが、少なくとも以前このブログで紹介した2枚組の北米販売用NTSC方式のDVD(2007年生産)と遜色のないレヴェル、或いはそれ以上のレヴェルにまで再現することが目標でした。
この目標は達成できたと思います。
北米向けの2枚組DVDには、以前に触れたような英字幕の間違いがあるほか、スタッフ&キャスト紹介の特典メニューがロシア語オンリーであるためロシア語が理解できない人はせっかくの情報に触れられないという欠点もあります。今回の500部限定初回版では、特典メニューやブックレットに2007年以降の最新情報も加えていますので、情報量の点でははるかに充実しています。
特に、スタッフ&キャストの著書やインタヴューの抄訳が収録されているブックレットは、この連作のソフト用特典としては、ロシア本国のソフトを含め、他に例のない資料的価値の高い内容になりました。
オリジナルの画質が正確に再現できないのは、DVDフォーマットの限界以外にテレビ方式の違いにもよります。ヨーロッパやロシアで採用されているPAL方式というテレビ方式では、走査線の数が日本や北米で採用されているNTSC方式より100本近く多いため、同じSD(4:3)画面でも、より鮮明な印象を残します。更に、NTSC方式とPAL方式とではもともと色の再現方式が異なり、PALの方が暖色系の色が豊かに感じられます。NTSC方式に変換するとその鮮明さや色のニュアンスが少し失われるのです。これは実際、PAL方式を採用しているヨーロッパやロシアの映画ソフト全てに言えることです。
オリジナルの再現性の問題は、フォーマットの変換(デジタルベータカムのテレビ方式変換、非圧縮AVIファイル化、オーサリング用MPEGファイル化)の度にでてきます。機材やソフトによっても微妙にオリジナルの再現能力が異なるようなので、最終的なDVDのマスターができるまで画質チェックは繰り返し何度も行っています。ですので、不注意による技術的なミスはないと断言できます。
今回の初回限定版は画質優先で2枚組になりましたが、通常版は特典映像をなくして1枚に収めたものになりそうです。1枚だと単位時間当たりに映像と音に割り当てられるデータ量は半減しますが、『バリーリンドン』や『影武者』のように3時間の大作でも片面2層のDVD一枚でソフト化されている例はあり、通常版として価格を抑えるための手段としては許容されると思っています。
通常版のリリース予定日はまだ決まっておりません。価格は未定ですが、1枚に収まるようにオーサリングをやり直すことになるので手間がかかり、定価4000円台前半になると思います。画質や特典にこだわる方は、通常版リリースまで待つよりも初回限定版を会員価格で予約された方が絶対にお得です。
先月から半ばからブログの更新が途絶えてしまい、申し訳ありません。
実は、DVD制作で最も重要な工程と言ってもいいオーサリングのチェックにかかりきりでした。
今回はその報告を書かせていただきます。
ロシアから送られてきたデジタルベータカムテープそのままの色あい、明暗、解像度を全てDVDで再現することは、DVDというフォーマットの限界から不可能なのですが、少なくとも以前このブログで紹介した2枚組の北米販売用NTSC方式のDVD(2007年生産)と遜色のないレヴェル、或いはそれ以上のレヴェルにまで再現することが目標でした。
この目標は達成できたと思います。
北米向けの2枚組DVDには、以前に触れたような英字幕の間違いがあるほか、スタッフ&キャスト紹介の特典メニューがロシア語オンリーであるためロシア語が理解できない人はせっかくの情報に触れられないという欠点もあります。今回の500部限定初回版では、特典メニューやブックレットに2007年以降の最新情報も加えていますので、情報量の点でははるかに充実しています。
特に、スタッフ&キャストの著書やインタヴューの抄訳が収録されているブックレットは、この連作のソフト用特典としては、ロシア本国のソフトを含め、他に例のない資料的価値の高い内容になりました。
オリジナルの画質が正確に再現できないのは、DVDフォーマットの限界以外にテレビ方式の違いにもよります。ヨーロッパやロシアで採用されているPAL方式というテレビ方式では、走査線の数が日本や北米で採用されているNTSC方式より100本近く多いため、同じSD(4:3)画面でも、より鮮明な印象を残します。更に、NTSC方式とPAL方式とではもともと色の再現方式が異なり、PALの方が暖色系の色が豊かに感じられます。NTSC方式に変換するとその鮮明さや色のニュアンスが少し失われるのです。これは実際、PAL方式を採用しているヨーロッパやロシアの映画ソフト全てに言えることです。
オリジナルの再現性の問題は、フォーマットの変換(デジタルベータカムのテレビ方式変換、非圧縮AVIファイル化、オーサリング用MPEGファイル化)の度にでてきます。機材やソフトによっても微妙にオリジナルの再現能力が異なるようなので、最終的なDVDのマスターができるまで画質チェックは繰り返し何度も行っています。ですので、不注意による技術的なミスはないと断言できます。
今回の初回限定版は画質優先で2枚組になりましたが、通常版は特典映像をなくして1枚に収めたものになりそうです。1枚だと単位時間当たりに映像と音に割り当てられるデータ量は半減しますが、『バリーリンドン』や『影武者』のように3時間の大作でも片面2層のDVD一枚でソフト化されている例はあり、通常版として価格を抑えるための手段としては許容されると思っています。
通常版のリリース予定日はまだ決まっておりません。価格は未定ですが、1枚に収まるようにオーサリングをやり直すことになるので手間がかかり、定価4000円台前半になると思います。画質や特典にこだわる方は、通常版リリースまで待つよりも初回限定版を会員価格で予約された方が絶対にお得です。
2010年09月18日
リヴァーノフとソローミンの友情
9月も中旬に入り、やっと涼しくなってきました。
夜には虫の声も聞こえて秋らしい風情があります。ロシアではまもなく『黄金の秋』が始まります。
紅葉はもちろんですが、「黄金」と呼ばれるのは他にも理由があると思います。芸術、特に舞台芸術のシーズンが始まるからです。
ロシア人はとても演劇好きで、モスクワにはあちこちにレベルの高い常設劇場があります。それらの多くは長い歴史をもち、有名な演出家や俳優を輩出しています。
多くの映画俳優達は、そのような由緒ある劇場で舞台に立ち、中には自ら演出までしている人々もいます。映画と演劇の関係が深いのは、ロシア流の演技スタイルが映画にも通用するものだからです。何しろ、「モスクワ芸術座」のスタニスラフスキー・システムは、ロバート・デニーロ等のハリウッド・スターを出した“アクターズ・スタジオ”でも採用された、心理主義的で優れたものです。
ロシア版ホームズの主役2人、ワシーリー・リヴァーノフとヴィターリー・ソローミンも、舞台と映画の両方で精力的に活動しました。今年出版されたリヴァーノフの著書『知られざるシャーロック・ホームズ 白いカラスを忘れるな』には、彼らの演劇人としての活動についても書かれています。

リヴァーノフが書いた小説に基づく戯曲を、ソローミンが舞台で演出、主演したこともありました(『アグラの財宝』が撮られた83年のことです)。この舞台は大盛況で批評家からも好評だったようです。そして88年から4年間は、2人が舞台演出や芸術監督として協力した、実験的な劇場「探偵(ディテクティーフ)」の活動がありました。全国15の都市で巡回公演したそうです。
彼らの実生活での友情は、「シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険」シリーズの主人公達と同じくらい、強いものでした(その友情は「理想的だった」とリヴァーノフは書いています)。
プロの俳優としてのお互いへの尊敬の念が、この友情を支えていました。ソローミンは気難しく内省的な性格で、自分自身への要求が高い俳優だったと、リヴァーノフは回想しています。リヴァーノフも、2人が知り合う前からテレビでソローミンの出演した演劇を見て、彼の造形性を高く評価していました。 ホームズものへの出演がまだ決定していない段階で彼のオーディションを見たリヴァーノフは、「技術から判断して、彼がワトソンを演じるだろうことは分かった」そうです。そして、2人が知り合った後、ソローミンはリヴァーノフが「何でも知っている」ように感じていました。
2人の出身地や両親の職業は全く異なっていましたが、それも友情を長続きさせた理由の一つではないでしょうか。
リヴァーノフは、テレビで見たソローミンの動きを評して「すばらしいバレー・ダンサーにもなれただろう」と書いていますが、そのような身振りの表現性は、おそらくソローミンの両親が音楽家であったことによるものです。
一方、ソローミンが「何でも知っている」と感じたリヴァーノフの知識の豊富さは、彼がモスクワの由緒正しい俳優一家の出身だったことによります(リヴァーノフの父親ボリスは、スタニスラフスキーの弟子でモスクワ芸術座の俳優、演出家でもありました)。彼の家には、子供時代から俳優や監督や演出家が客人として訪れていました。ハドソン夫人を演じたリナ・ゼリョーナヤもその一人でした。
リヴァーノフとソローミンには、演出家としての経験も共通していました。前者は高等監督コースをアニメーション映画の監督によって卒業し、後者は先に書いたリヴァーノフの戯曲に基づく演出で成功を収めました。ソローミンは映画監督も試みましたが、その際にリヴァーノフの息子と彼自身とを、端役で登場させたそうです。
ソ連ではテレビ放映用の劇映画は、予算的にもスケジュール的にも、劇場公開用作品より制約がありました。当時の映画撮影用カメラは重かったので、前回紹介したヴェクスレルのような優れたカメラマンがいても、映像面での緻密さが撮影スケジュールの過密さによって損なわれた可能性があります。例えば、映像に変化と表現性を増すためにカメラの位置を変えれば、そのつど照明も構図も調整し直す必要があるので、自然に長回しの全身ショット(フル・ショット)が多くなるからです。ロシア版ホームズ連作でその不利な条件を補ってくれたのが、すばらしい俳優のアンサンブルと、主演俳優2人の、スタニスラフスキー・システムを踏まえた、偽物でない感情の表出でした。
2人の友情は、ロシア版ホームズ連作の全てににじみ出ています。もちろん、それは俳優としての厳しい自己鍛錬を通して芸術的に表現されたものです。
だからこそ、イギリスの批評家アラン・バーンズも、彼らを評して「ラズボーンとブルース、ブレットとバーク、カッシンングとストックとともに、ホームズ/ワトソンの殿堂における一段高い領域に位置すべきである」(Sherlock Holmes on Screen second edition,2004,London,p.134)と断言しているのです。
夜には虫の声も聞こえて秋らしい風情があります。ロシアではまもなく『黄金の秋』が始まります。
紅葉はもちろんですが、「黄金」と呼ばれるのは他にも理由があると思います。芸術、特に舞台芸術のシーズンが始まるからです。
ロシア人はとても演劇好きで、モスクワにはあちこちにレベルの高い常設劇場があります。それらの多くは長い歴史をもち、有名な演出家や俳優を輩出しています。
多くの映画俳優達は、そのような由緒ある劇場で舞台に立ち、中には自ら演出までしている人々もいます。映画と演劇の関係が深いのは、ロシア流の演技スタイルが映画にも通用するものだからです。何しろ、「モスクワ芸術座」のスタニスラフスキー・システムは、ロバート・デニーロ等のハリウッド・スターを出した“アクターズ・スタジオ”でも採用された、心理主義的で優れたものです。
ロシア版ホームズの主役2人、ワシーリー・リヴァーノフとヴィターリー・ソローミンも、舞台と映画の両方で精力的に活動しました。今年出版されたリヴァーノフの著書『知られざるシャーロック・ホームズ 白いカラスを忘れるな』には、彼らの演劇人としての活動についても書かれています。

リヴァーノフが書いた小説に基づく戯曲を、ソローミンが舞台で演出、主演したこともありました(『アグラの財宝』が撮られた83年のことです)。この舞台は大盛況で批評家からも好評だったようです。そして88年から4年間は、2人が舞台演出や芸術監督として協力した、実験的な劇場「探偵(ディテクティーフ)」の活動がありました。全国15の都市で巡回公演したそうです。
彼らの実生活での友情は、「シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険」シリーズの主人公達と同じくらい、強いものでした(その友情は「理想的だった」とリヴァーノフは書いています)。
プロの俳優としてのお互いへの尊敬の念が、この友情を支えていました。ソローミンは気難しく内省的な性格で、自分自身への要求が高い俳優だったと、リヴァーノフは回想しています。リヴァーノフも、2人が知り合う前からテレビでソローミンの出演した演劇を見て、彼の造形性を高く評価していました。 ホームズものへの出演がまだ決定していない段階で彼のオーディションを見たリヴァーノフは、「技術から判断して、彼がワトソンを演じるだろうことは分かった」そうです。そして、2人が知り合った後、ソローミンはリヴァーノフが「何でも知っている」ように感じていました。
2人の出身地や両親の職業は全く異なっていましたが、それも友情を長続きさせた理由の一つではないでしょうか。
リヴァーノフは、テレビで見たソローミンの動きを評して「すばらしいバレー・ダンサーにもなれただろう」と書いていますが、そのような身振りの表現性は、おそらくソローミンの両親が音楽家であったことによるものです。
一方、ソローミンが「何でも知っている」と感じたリヴァーノフの知識の豊富さは、彼がモスクワの由緒正しい俳優一家の出身だったことによります(リヴァーノフの父親ボリスは、スタニスラフスキーの弟子でモスクワ芸術座の俳優、演出家でもありました)。彼の家には、子供時代から俳優や監督や演出家が客人として訪れていました。ハドソン夫人を演じたリナ・ゼリョーナヤもその一人でした。
リヴァーノフとソローミンには、演出家としての経験も共通していました。前者は高等監督コースをアニメーション映画の監督によって卒業し、後者は先に書いたリヴァーノフの戯曲に基づく演出で成功を収めました。ソローミンは映画監督も試みましたが、その際にリヴァーノフの息子と彼自身とを、端役で登場させたそうです。
ソ連ではテレビ放映用の劇映画は、予算的にもスケジュール的にも、劇場公開用作品より制約がありました。当時の映画撮影用カメラは重かったので、前回紹介したヴェクスレルのような優れたカメラマンがいても、映像面での緻密さが撮影スケジュールの過密さによって損なわれた可能性があります。例えば、映像に変化と表現性を増すためにカメラの位置を変えれば、そのつど照明も構図も調整し直す必要があるので、自然に長回しの全身ショット(フル・ショット)が多くなるからです。ロシア版ホームズ連作でその不利な条件を補ってくれたのが、すばらしい俳優のアンサンブルと、主演俳優2人の、スタニスラフスキー・システムを踏まえた、偽物でない感情の表出でした。
2人の友情は、ロシア版ホームズ連作の全てににじみ出ています。もちろん、それは俳優としての厳しい自己鍛錬を通して芸術的に表現されたものです。
だからこそ、イギリスの批評家アラン・バーンズも、彼らを評して「ラズボーンとブルース、ブレットとバーク、カッシンングとストックとともに、ホームズ/ワトソンの殿堂における一段高い領域に位置すべきである」(Sherlock Holmes on Screen second edition,2004,London,p.134)と断言しているのです。
2010年09月11日
静止画像でも分かる映像の豪華さ(「冒険」)
今日は、ロシア版ホームズ担当MARSです。
レンフィルムから届いた『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』の元素材を、日本のNTSC方式に変換して社内でチェックしました。
30年前のフィルムとは思えない鮮明さです。もちろん、多少の色の変化はあるはずですが、それはどこの国の映画でも同じことです。フィルムには褪色が避けられません。ロシア版ホームズの場合は、フィルム素材を90年代にデジタルベーカムに変換したのですが、その段階で既に制作から20年近く経っていました。
実はこの「テレシネ」作業は、視聴者の衰えない人気に応えるように、これらの元素材を生かした新シリーズを制作するためだったようです(タイトルは『シャーロック・ホームズの思い出』でしたが、実現前に係争になってしまいました)。
ソ連製の「スヴェーマ」というカラー・フィルムも、保存状態が良ければコダックにも匹敵するように思います。
撮影のユーリィ・ヴェクスレルという人は、ソ連時代のカメラマンには珍しく、どこの映画学校も出ないで映画スタジオ内だけで学んだ叩き上げでしたが、この映画を見ると独学と才能のレベルは相当なものです。
『冒険』には、19世紀末の上流社会の生活を再現した、3つの豪華な場所が出てきます。
ホームズの兄マイクロフトが創設者の一人である“ディオゲネス・クラブ”、
セバスチャン・モラン大佐とロナルド・アデア卿の確執が展開する、カードクラブ“バガテル”、
そしてロナルド・アデア卿の屋敷です。
それぞれ、静止画像で見てみましょう。




“ディオゲネス・クラブ”は実際に19世紀の皇族邸で撮影されています。
豪華なはずです。
“バガテル”の内部はスタジオかもしれませんが、インテリアは豪華です。
この二つの場面の照明は、何度見ても『ゴッドファーザー』シリーズの照明を思い出させるのですが、影響関係は不明です(『ゴッドファーザー』はソ連でも上映されたようです。まあ、映画人の特権として、未公開の外国映画を見る機会もあることはあったのですが)。
アデアの屋敷を含めて、これらの贅沢な室内は、原作には登場しません。
しかも、そこで交わされているちょっとしたしぐさや会話が、いかにもそれらしく、唸らされます。
例えば、マイクロフトがホームズとワトソンに勧める、コニャックと思われる酒とグラス。
或いは、アデア卿がカードの相手と交わす、夕食のメニューに関する会話(見てのお楽しみです)。
そう言えば、第一作『シャーロック・ホームズとワトソン博士』でも、次のような会話がありました。
ホームズ「何を食べてるんです? オムレツなんて!」
(中略)「レストラン“フェラーリ”で鶉(ウズラ)とシャトー・ローズといこう」
数年後には店先から食料品が不足することになる国の作品とは思えない、優雅な台詞です。
ちなみに、ソ連時代の映画監督はスタジオ所属の公務員だったので、現在の日本の映画人のように赤貧洗うがごとき生活はしていませんでした。しかも、レンフィルムのあるレニングラード(現在はサンクトペテルブルグ)は歴史的な建築物の宝庫で、ロケ向きの場所は豊富でした。
また、スタジオの設備も専門教育も、ヨーロッパ随一でした。
マスレンニコフ監督が、実際にロンドンのベーカー街にあるホームズ博物館を訪れて、「我々の方がよくできていた」と感じたのは、無理もありません。
今ではそれも古き良き時代、になってしまいましたが・・・
レンフィルムから届いた『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』の元素材を、日本のNTSC方式に変換して社内でチェックしました。
30年前のフィルムとは思えない鮮明さです。もちろん、多少の色の変化はあるはずですが、それはどこの国の映画でも同じことです。フィルムには褪色が避けられません。ロシア版ホームズの場合は、フィルム素材を90年代にデジタルベーカムに変換したのですが、その段階で既に制作から20年近く経っていました。
実はこの「テレシネ」作業は、視聴者の衰えない人気に応えるように、これらの元素材を生かした新シリーズを制作するためだったようです(タイトルは『シャーロック・ホームズの思い出』でしたが、実現前に係争になってしまいました)。
ソ連製の「スヴェーマ」というカラー・フィルムも、保存状態が良ければコダックにも匹敵するように思います。
撮影のユーリィ・ヴェクスレルという人は、ソ連時代のカメラマンには珍しく、どこの映画学校も出ないで映画スタジオ内だけで学んだ叩き上げでしたが、この映画を見ると独学と才能のレベルは相当なものです。
『冒険』には、19世紀末の上流社会の生活を再現した、3つの豪華な場所が出てきます。
ホームズの兄マイクロフトが創設者の一人である“ディオゲネス・クラブ”、
セバスチャン・モラン大佐とロナルド・アデア卿の確執が展開する、カードクラブ“バガテル”、
そしてロナルド・アデア卿の屋敷です。
それぞれ、静止画像で見てみましょう。




“ディオゲネス・クラブ”は実際に19世紀の皇族邸で撮影されています。
豪華なはずです。
“バガテル”の内部はスタジオかもしれませんが、インテリアは豪華です。
この二つの場面の照明は、何度見ても『ゴッドファーザー』シリーズの照明を思い出させるのですが、影響関係は不明です(『ゴッドファーザー』はソ連でも上映されたようです。まあ、映画人の特権として、未公開の外国映画を見る機会もあることはあったのですが)。
アデアの屋敷を含めて、これらの贅沢な室内は、原作には登場しません。
しかも、そこで交わされているちょっとしたしぐさや会話が、いかにもそれらしく、唸らされます。
例えば、マイクロフトがホームズとワトソンに勧める、コニャックと思われる酒とグラス。
或いは、アデア卿がカードの相手と交わす、夕食のメニューに関する会話(見てのお楽しみです)。
そう言えば、第一作『シャーロック・ホームズとワトソン博士』でも、次のような会話がありました。
ホームズ「何を食べてるんです? オムレツなんて!」
(中略)「レストラン“フェラーリ”で鶉(ウズラ)とシャトー・ローズといこう」
数年後には店先から食料品が不足することになる国の作品とは思えない、優雅な台詞です。
ちなみに、ソ連時代の映画監督はスタジオ所属の公務員だったので、現在の日本の映画人のように赤貧洗うがごとき生活はしていませんでした。しかも、レンフィルムのあるレニングラード(現在はサンクトペテルブルグ)は歴史的な建築物の宝庫で、ロケ向きの場所は豊富でした。
また、スタジオの設備も専門教育も、ヨーロッパ随一でした。
マスレンニコフ監督が、実際にロンドンのベーカー街にあるホームズ博物館を訪れて、「我々の方がよくできていた」と感じたのは、無理もありません。
今ではそれも古き良き時代、になってしまいましたが・・・
2010年09月04日
翻訳字幕の難しさ
こんにちは。ロシア版ホームズの字幕翻訳担当の西です。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』の字幕制作がほとんど終わりました。
毎回思うことですが、字幕を制作することで作品の理解は飛躍的と言ってよいほどに深まります。
これまで、英字幕付きのロシア製DVDは少なくとも2種類出ており、2003年に出た英語圏の研究書Sherlock Holmes on Screenの著者もそのひとつを利用してロシア版ホームズに関する記事を書いています。
この著者は英語字幕の誤りも指摘しているのですが、この連作に対して3ページも費やし、なかなか公平な評価をしているようです(私自身はまだ未読です)。
このブログでも以前紹介された、アメリカ・カナダ市場向けのNTSC版DVD(クループヌィ・プラン版)にも英語字幕がついていますが、二次的な登場人物(ロナルド・アデア卿その他)の表記に確かにミスがありました。こういうミスは、原作の邦訳に当たったりすることで、かなり容易に避けることができます。これは翻訳家なら誰でもやるべき、基本的作業に属します。
難しいのは、ロシア版ホームズ連作に特有の(そして原作の精神にも通じる)、ユーモア感覚や、ホームズの台詞に多い機転の利いた言いまわしなどを、字数制限のある中で伝わるようにすることです。日本語の映画字幕は戦前の1930年代初頭からの歴史がありますが、観客が確実に読みきれる長さに字数制限する規則がいつできたのかは、分かりません。
外国製のソフトなどを見ていると、台詞をほとんど逐語訳した結果長すぎる訳文が出てきたりして、アメリカ人やイギリス人でもこれをリアルタイムには読めないだろうと思ったりします。同じようなことは、オプションで日本語字幕の入っている外国製ソフトの場合でも見かけることがあります(数は少ないですが、そのようなタイトルもあることはあるのです)。
日本独自のものと思われる字数制限の決まりは、ある意味で合理的です。この制限があるために字幕の翻訳家は苦労しますが、それぞれの場面と作品全体の雰囲気にふさわしい日本語表現を徹底的に探すことになり、観客もその推敲された訳文をリアルタイムに無理なく読めます。結果的には逐語訳よりもよい結果になるのです。もちろん、削られてしまう情報もありますが、字幕翻訳ではすべての情報を伝えようとはせず、重要な情報とニュアンスだけを残し、文化の違いから必要と思われる場合には原文にない言葉も加えたりもします。
先に触れた、ホームズの機転の利いた台詞や、登場人物によっては古風だったり、砕けた調子だったり、そのようなニュアンスの違いは、逐語訳ではかえって出ないものです。なぜなら、もともと言語の構造が違うものを逐語訳すれば、どれもこれも似たような、硬い、あるいは不自然な訳文になるからです(そのような調子が効果的なことも、場合によってありますが)。
簡潔でありながらさまざまに異なるニュアンスを伝えるような字幕翻訳には、日本語に対する感受性も、最後まで推敲を重ね続ける熱意も、ともに要求されます。もちろん、作品そのものへの理解と愛情も必要です。
現在、外国製ソフトは円高のおかげで安くなっていますが、英語字幕や日本語字幕が付いているものを見ると、作品自体は優れているのに齟齬感が残ったりすることが少なからずあります。
台詞が比較的ゆったりしている映像主体のアーハウス系の作品でさえそうなのですから、ホームズもののように台詞が中心になって観客の興味を引っ張ってゆくタイプの作品では、翻訳字幕の役割は決定的といえるほど重要になってきます。
翻訳に「完全」ということはあり得ませんし、字幕翻訳の場合は意図的に情報を取捨選択するものなので、重箱の隅をつつくような見方はいくらでもできるでしょう。しかし、あえて字数制限を設けて本質を伝えようとする日本の映画字幕の伝統は、優れたものです。
もう15年以上前、私が最初にこの仕事をした際に、さる業界の先輩は、日本の映画字幕は世界最高だと言っていました。その伝統を継ぐことができればと、毎回字幕の仕事をするたびに思っています。
『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』の字幕制作がほとんど終わりました。
毎回思うことですが、字幕を制作することで作品の理解は飛躍的と言ってよいほどに深まります。
これまで、英字幕付きのロシア製DVDは少なくとも2種類出ており、2003年に出た英語圏の研究書Sherlock Holmes on Screenの著者もそのひとつを利用してロシア版ホームズに関する記事を書いています。
この著者は英語字幕の誤りも指摘しているのですが、この連作に対して3ページも費やし、なかなか公平な評価をしているようです(私自身はまだ未読です)。
このブログでも以前紹介された、アメリカ・カナダ市場向けのNTSC版DVD(クループヌィ・プラン版)にも英語字幕がついていますが、二次的な登場人物(ロナルド・アデア卿その他)の表記に確かにミスがありました。こういうミスは、原作の邦訳に当たったりすることで、かなり容易に避けることができます。これは翻訳家なら誰でもやるべき、基本的作業に属します。
難しいのは、ロシア版ホームズ連作に特有の(そして原作の精神にも通じる)、ユーモア感覚や、ホームズの台詞に多い機転の利いた言いまわしなどを、字数制限のある中で伝わるようにすることです。日本語の映画字幕は戦前の1930年代初頭からの歴史がありますが、観客が確実に読みきれる長さに字数制限する規則がいつできたのかは、分かりません。
外国製のソフトなどを見ていると、台詞をほとんど逐語訳した結果長すぎる訳文が出てきたりして、アメリカ人やイギリス人でもこれをリアルタイムには読めないだろうと思ったりします。同じようなことは、オプションで日本語字幕の入っている外国製ソフトの場合でも見かけることがあります(数は少ないですが、そのようなタイトルもあることはあるのです)。
日本独自のものと思われる字数制限の決まりは、ある意味で合理的です。この制限があるために字幕の翻訳家は苦労しますが、それぞれの場面と作品全体の雰囲気にふさわしい日本語表現を徹底的に探すことになり、観客もその推敲された訳文をリアルタイムに無理なく読めます。結果的には逐語訳よりもよい結果になるのです。もちろん、削られてしまう情報もありますが、字幕翻訳ではすべての情報を伝えようとはせず、重要な情報とニュアンスだけを残し、文化の違いから必要と思われる場合には原文にない言葉も加えたりもします。
先に触れた、ホームズの機転の利いた台詞や、登場人物によっては古風だったり、砕けた調子だったり、そのようなニュアンスの違いは、逐語訳ではかえって出ないものです。なぜなら、もともと言語の構造が違うものを逐語訳すれば、どれもこれも似たような、硬い、あるいは不自然な訳文になるからです(そのような調子が効果的なことも、場合によってありますが)。
簡潔でありながらさまざまに異なるニュアンスを伝えるような字幕翻訳には、日本語に対する感受性も、最後まで推敲を重ね続ける熱意も、ともに要求されます。もちろん、作品そのものへの理解と愛情も必要です。
現在、外国製ソフトは円高のおかげで安くなっていますが、英語字幕や日本語字幕が付いているものを見ると、作品自体は優れているのに齟齬感が残ったりすることが少なからずあります。
台詞が比較的ゆったりしている映像主体のアーハウス系の作品でさえそうなのですから、ホームズもののように台詞が中心になって観客の興味を引っ張ってゆくタイプの作品では、翻訳字幕の役割は決定的といえるほど重要になってきます。
翻訳に「完全」ということはあり得ませんし、字幕翻訳の場合は意図的に情報を取捨選択するものなので、重箱の隅をつつくような見方はいくらでもできるでしょう。しかし、あえて字数制限を設けて本質を伝えようとする日本の映画字幕の伝統は、優れたものです。
もう15年以上前、私が最初にこの仕事をした際に、さる業界の先輩は、日本の映画字幕は世界最高だと言っていました。その伝統を継ぐことができればと、毎回字幕の仕事をするたびに思っています。


